寄付金受領証明書に記載の受領日は、「着金日」と「決済日」どちらが正しいのでしょうか。
NPOが発行する「寄付金受領証明書(領収書)」における“受領日”は、少なくとも次の2目的に引っ張られます。
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寄付者側の税務(寄附金控除の年分判定)
寄付者が「その年に寄附した」と言える日付に寄せたい(年末は特に切実)。たとえば12/31にカードで寄付したのに、団体入金が翌年だと、寄付者の体感として「年内に寄付したのにその年の申告に使えない」問題が起こる。 -
団体側の会計・認定NPOのPST等の整合(寄附者名簿・計算書類・監査可能性)
いつ収益計上したか/名簿に何日付で載せたか/未収金を立てたか、という整合が重要。
この2つがズレるのが、まさに「クレジットカード等の決済(寄付者の手続完了)→後日入金」という構造です。
目次
・官公庁の公式見解
・推奨ポリシー案
・Syncableでの寄付者への説明■官公庁の公式見解
(A) 国税庁:寄附金控除は「特定寄附金を支出」した年分で適用される
国税庁のタックスアンサーは、寄附金控除の対象を「特定寄附金を支出した場合」と説明しています(出典: 国税庁)
ここで重要なのは、寄付者側の年分判定は、原則として「寄付者が支出した日(支出の事実が成立した日)」に寄る、という税務の基本構造です(年末論点の根っこ)。
※ただし、国税庁ページ自体が「クレカは決済日/着金日」と明文で断定している箇所は、少なくとも上記参照ページからは読み取れません(そのため、次の内閣府Q&Aが実務上の参照軸になります)。
(B) 内閣府(NPOホームページQ&A):A=入金日/B=支払手続日 の“二択”を明確化し、証明書日付も合わせるのが望ましい
内閣府のNPOホームページQ&A(認定の判定 PST全般)”3-2-16 クレジットカードや振込みなどによる寄附について、PSTの判定上、寄附金として取り扱うことができますか。 【第44条】”では、受入寄附金の扱いについて、下記の様に明示しています。
- 原則:寄附者名簿に記載する「受け入れる年月日」は A:法人への入金があった日
- ただし一定条件下で:B:寄附者が支払い手続きをした日 を「入金されたものとみなす」ことも可能【※寄付者名簿の備考欄等に 「クレジットカード利用(口座入金日●月×日 又は 未収金)」などの記載をすること、そして会計処理としては未収金計上等で計算書類と寄附者名簿の整合を図る必要性】
- そして、確定申告で必要となる寄附金受領証明書の受領年月日は、法人が選択した(A)または(B)と一致させておくと円滑
■推奨ポリシー案
官公庁の整理としては、原則は着金日(A)だが、一定条件のもとで決済日(B)を採用可能。この前提の下、AとBのポリシーを条件分岐で運用することで寄付者の利益を最大化する場合の案をご案内します。
ルール(決済手段別)
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銀行振込・現金・口座振替(団体側で入金日が把握でき、ズレが小さい手段)
→ 原則 着金日(入金日) を受領日(A)とする -
クレジットカード・オンライン決済(決済→後日入金の手段)
→ 原則 決済日(支払手続日) を受領日(B)とする
※ただし、内閣府Q&Aの条件を満たすことを前提
B(決済日)を採るための“条件充足チェック”(最低限)
内閣府Q&Aが要求する骨子は以下です。
- 支払手続完了により、決済会社等から団体へ入金が確実に行われること
- 支払手続後に、寄付者から一方的なキャンセルが行われないこと
実装としては、少なくとも次を整備します。
- 決済代行会社の契約・仕様で、取消/返金/チャージバックの条件とフローを文書で把握
- 管理画面(トランザクション状態)で「確定」概念が取れるか(オーソリだけでなく売上確定等)
- 年末跨ぎの未入金残高を一覧化できること(未収金の根拠資料)
会計処理(B採用時の必須セット)
- 決算期末時点で未入金が残る場合:未収金計上(計算書類と寄附者名簿・証明書の整合)
- 名簿備考等に、口座入金日や未収金である旨の注記(内閣府Q&Aの例示に沿う)
- 返金・取消が出た場合の訂正ルール(翌期の減額処理, 証明書再発行の要否判断)
■Syncableでの寄付者への説明
団体管理画面「利用設定」内「メール設定」とは
Syncableでは、支援の決済が完了した支援者へ「ご支援ありがとうございました」という自動メールをお送りしています。
このメールには、支援内容(金額・頻度・支援先など)に加え、団体からのメッセージを掲載することができます。
そこで、この記事にあるような事項を寄付者の方へ説明責任を果たす場にすることもできます。
寄付時のメール文面(例)
下記、寄付時のメール文面例です。適宜、団体様での運用に即して変更してご利用ください。なお、下記の例は、継続寄付の場合、年間分を合算し年間寄付総額をまとめた寄附金受領証明書(領収書)を発行する団体様を想定しています。
この度はご寄付有り難うございました。
クレジットカード決済によるご寄付につきましては、各年1月1日から12月31日までの間に決済(お支払い手続き)が完了したものが、その年分の寄附金として、確定申告における税制優遇の対象となります。
したがいまして、今年1月1日から12月31日までに決済が完了したご寄付は、今年分の確定申告(申告時期:翌年)においてご利用いただけます。
また、クレジットカードによる継続寄付をご利用の方につきましては、今年1月1日から今年の12月31日までの13か月分の決済済みご寄付を合算した年間寄付金受領証明書を発行いたします。
寄付金受領証明書は、確定申告の際に必要となりますので、大切に保管してください。
※税制優遇の適用可否や具体的な申告方法につきましては、所轄の税務署または税理士等の専門家にご確認ください。
最終更新日:2026年1月21日
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